すごく役に立つビジネス書を読んだり、素晴らしい内容のセミナーに参加して、「絶対に自分のビジネス役立てるぞー!」と思っても、しばらくすると忘れてしまったり、なかなか自分のビジネスに活用できないかった経験ってありませんか?
今回は、そんな「学習したことを忘れてしまう問題」に対処する、学習の成果を最大化するポイントについて解説します。
①学習のアウトプットをする
学んだことをアウトプットすることが重要と言うのは、よく耳にすることだと思います。いろんな人が書いてますね。でもアウトプットするより前に、アウトプットすること以上に大事なことがあります。
それは、アウトプットする期限を先に決めておくことです。言い換えるとアウトプットの公開日を決めておくと言うことですね。
やり方は簡単です。本を読んだり、セミナーや勉強会に参加したりした際に、学習のスケジュールを決める段階で、もうアウトプットのスケジュールも仮でいいので、カレンダーや手帳に追加しておくのです。
アウトプットする予定を後からスケジュールしようと考えると、どうしても忘れてしまったり、面倒をくさくなってしまうので、学習のスケジュールを入れる際に、「この日に〇〇さんに話そう」とか、「今日、学習したことは夜にブログに書こう」などと、先入れでスケジュールを押さえておくことで、強制的にアウトプットする機会を作り出すことができます。
人は学習したことに対して記憶できる時間は非常に限られています。人が忘れてしまうことの有名な実験に、ドイツの心理学者、ヘルマン、エビングハウスの発表したエビングハウスの忘却曲線というのがあります。
このエビングハウスの忘却曲線によると、時間とともにどれだけ記憶したことが頭に残っているかについて明らかにしています。
逆に言ってしまうと、人はどれだけの時間で忘れるのか?ということもわかります。
この実験によると、人は何かを学んだ後、
- 20分後には42%忘れる
- 1時間後に56%忘れる
- 9時間後には64%忘れる
- 1日後には67%忘れる
- 2日後には72%忘れる
- 6日の後には75%忘れる
- 30一日後には79%忘れる
という結果になっています。
なんだか、人はこんなに忘れるのが早いものだと思ってしまうと、勉強するのが虚しくなってしまいますよね…。
しかし、人間のこの悲しい性質を買っていれば適切に対処することも可能です。
この法則に従うと、忘れないためには忘れないための行動…つまりアウトプットをすると、学習の効果を最大限に発揮することができると言うことです。
ここで皆さんを励ます、別の研究結果をご紹介します。カナダのウォータールー大学の研究結果があります。同大学の研究によると、学習した後24時間以内に10分間の復習をすると記憶定着率は100%に戻ります。そしてここからが素晴らしいのですが、次回の復習は、1週間以内にたった5分すれば記憶がよみがえります。次は、1ヶ月後にたった1〜4分復習すれば、また記憶が復活するのです!
これは凄いことじゃないですか?適切なタイミングで復習を行えば最大でたったの19分の復習で、1ヵ月後も学んだことを忘れずにきちんと定着することができるんです。
ただし、忙しい起業家の皆さんは、きっかり24時間、1週間、1ヵ月と言う風に、決まったスケジュールで復習するのは難しいと思います。
そこで私がお勧めしているのは48時間以内にアウトプット、つまり実践をすると言うことです。48時間以内にアウトプットすれば、先程のエビングハウスの忘却曲線によると、記憶の定着率を最低でも70%以上に保つことができます。
そしてこれは私の経験則ですが、48時間以内にアウトプットすれば、体感としては8割以上は記憶に定着している印象です(あくまで私の体験値ですが…)
アウトプットする方法はどんな方法でも結構です。お客様や取引先、同僚とアポイントで話す機会が多い方は、相手に学習したことを話してみる。動画やpodcast、ブログやメルマガなどに発信をする。
私がいつもお勧めしているのは、ブログで文字起こしをしたり、動画で話したりして情報発信することをお勧めしています。ブログや動画で情報発信なら、アポイント等と違い、相手の予定に左右されることもありませんし、情報発信をご自身のビジネスやブランディングに活用されている方なら、情報がご自身の発信のストックになっていくからです。
学習したことを情報発信して、それが自分のコンテンツとしてストックされていくなんて、一石二鳥だと思いませんか?
学習のアウトプットに情報発信は、以上のような理由で個人的にかなりオススメです!
②学習したことを反復する
人は学習したことをそのままでは定着しませんが、先ほどのウォータールー大学の研究結果でもあったように、復習、つまり反復を繰り返すことで、学習した知識が技術として少しずつ定着していきます。技術は知識が自分の手となり足となるまで定着して初めて技術となるので、繰り返し学んだことをアウトプットしていきましょう。
私のオススメは、クライアントさんと話す機会が多いビジネスの方には、3人の方に同じ話をすることをアドバイスしています。もう一つの方法としては、やはり情報発信をおすすめしています。
しかし、例えばブログをやっていて、また同じ内容をに記事にするのって抵抗がありますよね?
そのための対処方法として、複数のメディアを使って同じ内容を発信することをおすすめしています。
現在は様々なSNS等の発達によって、ブログをやりながらSNSをやったり、動画投稿しながらPodcastをやったりなど、複数のメディアでマルチに情報発信するのが当たり前になりました。だから学習のさらなる定着のためにも、発信のネタを確保するためにも、複数のメディアで情報発信することをおすすめします。でも私がいつもこの話をすると、「でも…ブログで書いたことと同じことをSNS書くと、同じこと書いてるって思われちゃうんじゃ…」とおっしゃるまじめな方が、少数ですが必ずいらっしゃいます。
その時に私がいつもアドバイスしているのは、日時をずらしてほんの少しだけリライトして公開することです。少しだけリライトするのがポイントです。リライトにあまり時間を取られすぎるより、次の学びをコンテンツにしたほうが良いので。
全く同じ内容のネタを同じ日に複数のメディアに公開すると抵抗があるかもしれませんが、例えば1週間ずらすなどすると、同じことを書いてるようには見えませんし、1週間後に書く際は、ほんの少しだけあまり時間をかけずにリライトすると、1度目に公開したよりも情報がブラッシュアップされてより良い投稿になります。リライトすることで同じ内容投稿するのに抵抗がある方の、罪悪感を減らすこともできるんじゃないでしょうか?
学習の成果を最大化する2つのポイントまとめ
最後にまとめです。
学習した成果を最大化する2つのポイントは…
- アウトプットをする
- 反復する
皆さんのビジネスのお役に立てれば幸いです。